16.自律神経失調症とは
自律神経失調症という病名は、
ここ数年でみなさんも多く耳にしているのではないでしょうか。
では、自律神経失調症という病気は具体的にはどんな症状なのでしょうか。
実は医学上では「不定愁訴」という定義がされていますが、
頭痛・めまい・肩こり・動悸・倦怠感・疲労感などの
自覚症状があるにかかわらず、
身体から異常が発見されない状態のことを自律神経失調症と呼びます。
つまり直接的な身体の変調ではなく、精神的なことが原因になっています。
少し前の時代では、「気のせい」「さぼり」などと
ひと言でかたづけれてしまうことが多く、
こうした心ないひとことによって患者さんは、
さらに病気に拍車がかかるという悪循環になることも多くありました。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2系統があります。
この2つの神経が交互に優位しながら、
1日のリズムを刻んでいるのです。
交感神経は昼間の神経と呼ばれ、日中に活躍する神経です。
そして副交感神経は、夜の神経と呼ばれ、日没後に活躍します。
副交感神経が活躍すると、瞳孔が収縮したり、呼吸がゆっくりとなったり、
血圧も下降します。
そこで人は眠りにつけるわけです。
この2つの神経のバランスがくずれると、
緊張状態がつづき眠れなくなったり、
日中なにもする気が起きなかったりします。
自律神経は人の生活の中でとても大事な部分を司ります。